難しい「引き際」

今日は会社をたたむご相談をいただきました。厳密に言うと、法人を個人事業成りしたいということでした。私が立ち上げをお手伝いした案件です。

基本的に、私は会社設立のご相談をいただくと「個人事業ではダメですか?」とお客さんにお尋ねします。その結果、会社設立が見送りになったことも何度かあります。

もちろん、お客さんの要望通りに手続を進めれば事務所の利益にもなるし良いのでしょうが、こちらの利益にならなくても、お客さんにはその時点でのベストの選択をしていただいた方がいいと思いますので・・・。

今回の件もそのようなやり取りの末、法人形態をご選択された、という経緯がありました。

しかし、会社というか事業は「生き物」です。1年、2年と経つにつれ、当初とは考えが変わってくるものです。

幸い、借り入れもない状況で清算に進むことができますが、最悪の状態になる前に清算できるというのは稀だと思います。だいたい、事業が思うようにいかず、借り入れの返済もできなくなってから「いよいよ畳むか」となるわけです。

なぜ、ベストのタイミングで事業が畳めないのか。引き際って、なぜ難しいのでしょうか。

何件か会社清算の案件に携わらせていただいて見えてきたのは、「成功体験が邪魔をする」ことで、タイミングを見誤るということです。

「過去にそこそこうまく行っていたので、今回ももう少しすれば状況が改善するはず」と、根拠もなく未来に期待してしまうのです。

実際はそんなに甘くないですよね。状況は改善しないばかりか、悪くなる一方です。

僕も、根拠なく期待したことが何度もあります。でも、今はうまく行っている時もそうでない時も、「なぜ売上が上がっているのか」「なぜ売上が上がらないのか」を理詰めで考えるようにしています。フィーリングをとことん排除しようと試みています。

ダメならさっさと見切りをつけて、どんどん次に進んでいかなければなりません。

何かの本で読んだのですが、次のような言葉がありました。

変わらず在り続けるために、変わり続けなければならない。

たしか、「有恒(ゆうこう)」という仏教用語のエピソードと共に紹介されていたのですが。栢野克己さんの本だったような気がします。後で探して、もう1度読んでみようと思います。

「変わらず在り続けるために、変わり続ける」

座右の銘にしたいと思います。

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