一般酒類小売業免許申請 – 書類作成・申請・免許付与

それでは、一般酒類小売業免許の要件に引き続き、このページでは、一般酒類小売業免許申請の書類作成・申請手続・補正・免許の交付について、実際の流れに沿ってまとめています。

国税庁のHPに様式が出ていない任意様式の書類についても、実際に私が使っている書式を掲載したいと思います。

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書類作成

基本的な記載方法については国税庁の手引をご覧ください。詳しい記載例が載っています。
国税庁の手引

ここでは、手引きでは触れられていない点や、今回のケースで私が作成した任意様式の添付書類等についてご説明したいと思います。

酒類販売業免許申請書

手引きを見ながら記載すれば問題ないと思います。2点だけ補足します。

「販売場の所在地及び名称」の住居表示欄

今回の私のケースでは、販売場の所在地が住居表示未実施地区だったのですが、「販売場の所在地及び名称」の住居表示欄には「地番に基づく所在地(○丁目○○番地)」を記載するよう求められました。

また、販売場が複数階のある建物の1階だったので、「の○階」という形で階数も表記するよう求められました。

酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達
第9条 酒類の販売業免許
6 販売場の取扱い
(2) 酒類の販売業免許を付与する場合には、原則として、階(地階、一階等の別)を、建物(店舗)の一部を賃借すること等(いわゆるテナント店)によって酒類の販売業をしようとする者に対し酒類の販売業免許を付与するときには、当該賃借等している場所を(中略)それぞれ販売場として取り扱う。

その結果、次のような記載となりました。

「田舎県田舎市田園通一丁目11番地2 1階」

業態

事業計画上、主として飲食店への販売を行うという内容だったので、業態は「業務用卸主体店」となりました。

次葉1「販売場の敷地の状況」

今回申請する販売場は建物の一部ですが、販売場を含む建物の1階全体を図示します。

法務局で建物図面を取得し、実際の区画割りを打ち合わせながら実測しました。

なお、販売場が建物1階の一部分だったので、販売場とする部分が分かりやすいように赤線で囲みました。

※図面作成には無料のJW CADを使っています。

次葉2「建物等の配置図」

今回は他の法人が同じフロアに入居しているので、パーティションを設置しスペースを区分して使用することを明示します。
次葉1と同様に、販売場の部分を赤線で囲みました。

次葉3「事業の概要」

敷地の面積

販売場の部分だけでなく、建物全体の敷地面積を記載しました。

建物の面積

1階の販売場のみの部分を「1階◯◯.◯◯㎡」と記載しました。

次葉4「収支の見込み」

私は数字があまり得意ではないので、次葉4の作成に一番時間がかかりました。

お客さんからも「だいたい○人分の給料が出るくらいで作っておいて!」みたいに言われただけでしたので・・・。

まずは、この業界の実態を調べるところから進めていきます。具体的には、日本政策金融公庫の「外食に関する消費者意識と飲食店の経営実態調査」、総務省・経産省の「経済センサス-活動調査」、国税庁の「酒類小売業者の概況」などを参照し、酒販店の平均的な売上規模、原価率などを調べていきます。

その上で、今回お客さんが酒販用に用意している資金の額などから実現可能な計画を作っていきました。

ちなみに、国税庁が発表している「酒類小売業者の概況(平成28年分)」によると、お酒の売上高の1者平均は、23,759,000円(一般酒販店)、15,877,000円(コンビニ)となっています。いずれも全国での平均です。

次葉5「所要資金の額及び調達方法」

全額自己資金で賄える計画だったのですが、融資も審査が通ったので、自己資金+融資という形で、資金面は十分ゆとりがあるということを示しました。

なお、自己資金については預金通帳のコピー(原本証明付き)を、融資については契約書のコピー(原本証明付き)を添付し、裏付け資料としました。

次葉6「酒類の販売管理の方法」に関する取組計画書

販売管理者が常態として販売場に長時間不在となることが見込まれたので、管理者に代わる責任者1名を記載しました。

なお、申請書〜次葉6までについて、ホチキス綴じ・契印は必要ありませんでした。

添付書類

委任状

申請書自体には申請者にて押印しますが、書類作成や補正の対応等するため、委任状の提出が求められます。委任事項は「酒類販売業免許申請に関する一切の件」これでOKです。

※数年前に取り扱った時は委任状を求められなかったのですが、今回は求められました。

酒類販売業免許申請に関する委任状サンプル
酒類販売業免許申請に関する委任状サンプル

一般酒類小売業免許申請書チェック表

添付書類を確認しチェックすればOKです。

酒類販売業免許の免許要件誓約書

誓約書は別紙1、別紙2までありますので、左側をホチキスとじし、代表印+個人の実印の2種類の印鑑で契印します。また、今回は飲食店経営者が酒販店を兼業することとなるため、前述のとおり取り扱いについて明確に区分する旨、任意の様式で誓約書を作り、別紙2の後に合わせて綴じました。

誓約書のサンプル
(追って掲載します。)

法人の登記事項証明書及び定款の写し

定款は製本テープで綴じて原本証明し、表表紙と裏表紙の綴じ目に契印します。

住民票の写し

申請者が法人の場合は添付不要です。

申請者の履歴書(法人の役員全員分)

経営基礎要件に関わってきますので、類似業種の経験などあれば詳細に書いておいた方が良いと思います。今回はこれまでの会社経営の経験、研修会受講済の旨、酒販店オープン予定月について書きました。

なお、様式は任意となっています。私は次のような感じで作りました。
(追って掲載します。)

契約書等の写し

今回のケースでは登記された賃貸物件を販売場としますが、賃貸借契約書を見ると、使用目的が事務所使用となっていました。

そこで、別途任意の様式で「使用承諾書」を作り、賃貸しているテナント・底地の土地を酒類の販売場・倉庫・駐車場として使用することについて、土地建物の登記名義人からハンコをもらっていただきました。

使用承諾書のサンプル
(追って掲載します。)

※建物名は登記されていませんでしたので、申請書の所在地には記載しませんでした。

土地及び建物の登記事項証明書

謄本は問題ないですね。

最終事業年度以前3事業年度の財務諸表

今回申請する法人は4月決算ですので、6月末の確定申告を予定しています。ただ、酒販免許の申請は6月上旬を予定しており、酒の申請後に最終事業年度の財務諸表が税務署に提出されることとなります。

担当官によると、法人の確定申告で提出された財務諸表を酒税部門が閲覧できるようになるまで時間がかかるとのことで、確定申告とは別に、最新の財務諸表を提出するよう求められました。審査を早く進めるためという理由です。

今回は法人所在地と酒類販売場の管轄税務署が同じなので、本来、財務諸表の添付は省略可能となります。ただ、上記理由から、申請後に追って財務諸表を添付することとなりました。

(追記)
財務諸表も提出してほしいという雰囲気だったので、最近は3期分を添付しています。

都道府県及び市区町村が発行する納税証明書

市役所の方は酒類販売業免許申請に添付するための専用の納税証明書が用意されていました。市のHPからはDLできなかったので、あらかじめ市役所の税務課に出向いて様式を入手しておきました。今回発行を受ける市では、通常の納税証明請求書(法人代表印押印)+酒類販売業用の証明書(押印不要)の2種類の書類が必要でした(料金300円)。

県の方は「未納がない旨」「2年以内に滞納処分を受けていない旨」の2通の発行を受けました(料金400円×2)。

ちなみに今回は該当しませんでしたが、1箇月以内に納税したばかりの場合は、確認のために領収証を持参するように言われました。

税務署への申請

申請書は税務署の酒類指導官部門に提出します。あらかじめ電話での予約が必要でした。

最近は「総合窓口に出しておいてください。郵送でも結構です。」と言われることが多いです。私自身は担当官と一度も顔を合わせずに審査が完了、というケースもありました。補正の際も、電話で補正箇所の指示を受け、訂正願をまた総合窓口に出して終わり、という感じです。

申請書・添付書類は、契印を押しているものを除き、特に綴る必要はありません。私は全ての書類をダブルクリップで挟んで提出しました。

最近は二つ折りのクリアケースに、申請書、添付書類・資料と分けて入れて、表側にはカバーレター、そして名刺も挟んで提出しています。

なお、私が提出した税務署では、事前に相談させていただいた方や申請書を受け取った方が担当になるとは限らず、申請後に担当官が決まるとのことでした。(今回は結局、事前相談に応じてくださった指導官がそのまま担当してくださいましたが。)

税務署からの補正の連絡

申請後1週間ほどが経過したある日の夕方、税務署から電話がきました。用件は補正の連絡でした。

補正箇所は次の2点でした。

  1. 建物の階の追記
  2. 最新の決算書の追加添付

1.については、申請販売場が複数階の建物内にある場合は階数の明記が必要とのことで、「の◯階」という形で追記を求められました。(当初は階数を記載していませんでした。)アポを取って税務署に出向き、追記してきました。申請に関する一切の件について委任を受けているので、行政書士にて補正可能でした。

2.については添付書類のところでも書きましたが、実は当初は添付していませんでした。酒販売の申請後に会社の確定申告期限がくるというスケジュールだったので、最新の決算報告書ができ次第、税務署に届けることにしました。

申請書や添付書類を直接修正するケースもありますし、「訂正願」という書類にまとめて提出する場合もあります。訂正願についてはページを改めてまとめてみたいと思います。

免許交付

補正から3週間ほどで、担当官から「免許交付が決定した旨」の電話がありました。申請からちょうど1箇月後のことでした。標準処理期間が2箇月となっているのでずいぶん早かったなぁ、という印象です。

免許交付の際には、会社の代表取締役が税務署に出向くのがベストのようでしたが、今回は社長さんのスケジュールの関係で、酒販を担当する従業員の方に行っていただくことになりました。

税務署からは「◯月◯日の◯時から交付するので、できれば15分くらい早めに来てください」という感じで連絡がきました。他の申請者とスケジュールを合わせて交付が行われることが多いようです。

それと、ある程度「立場が上の方」が交付を担当するとのことで、きちんとした服装での来署も求められました。

税務署に出頭する際には、次の書類等を持参していただきました。

  1. 現金3万円
  2. 登録免許税の領収証書提出書
  3. 委任状
  4. 運転免許証
  5. 販売管理者選任届
  6. 販売管理者の研修会受講証コピー(原本証明不要)

1.については、免許時に納付する登録免許税です。税務署に現金で納付後に領収証書が発行されますので、それを2.に貼り付け提出します。(この処理のため、少し早めに行く必要があるのです。)

3.については、代表取締役から従業員への委任状です。次の書式にて作成しました。
(後日掲載します。)

4.については、受任者の本人確認のために提示します。

5.については「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」に基づき提出するもので、販売業の免許申請とは別個の手続です。よって、免許申請に添付したものとは別にもう1通、受講証のコピーを添付して提出します。

免許交付の当日は、免許交付のほか酒販に関する説明などもあり、所要時間はおおむね1時間程度となります。

以上、今回携わった酒類販売業免許申請についてまとめてみました。ご参考になりますと幸いです。

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