実務の知識をどうやって得るか?

実務の知識を得ることは、行政書士にとっていわば<仕入れ>みたいなものです。

基本的に、実務書・条文・通達などを調べまくって、それでもわからない実務上の取り扱いは役所の担当課に電話で聞く、これまでそんな感じで知識を得てきました。

行政書士会が開催している研修会も有益な場合がありますが、内容によっては自分で本を読んだ方が早いようなこともありますので、その分野の権威のような先生が講師の場合に限って参加している感じです。書士会の研修会の一番のメリットは、役所では教えてもらえない裏話や、微妙なさじ加減のような話が聞ける場合があるということです。

以下に、私のやり方についてお話してみたいと思います。

目次

  1. 基本的な考え方
  2. 実務書の買い方
  3. まとめ

1.基本的な考え方

開業前、また、開業直後に多くの方が直面する悩み、それが「実務をどうやって学ぶか」ということではないかと思います。

実は、昨日も電話がかかってきました。「補助者の募集はしていませんでしょうか?」お話を伺うと、実務を覚えたい、ということだそうです。

気持ちはよく分かります。でも、給料もらって実務を教えてくれ、というのは、やっぱり甘すぎます。いわば、「タダで仕入れて販売しよう」ということです。これは、プロとしてありえません。

本気で行政書士で成功したいのなら、自分でお金を払ってノウハウを買いましょう。実務書はもちろんのこと、先輩行政書士が販売しているノウハウなど、私も色々買いましたし、今でももちろん必要に応じて買っています。

分からないことがあれば、先輩に相談料を払って教えてもらいます。

私は、以下のステップで実務を覚えてきましたし、今でもわからないことだらけ、勉強の日々です。

(1)一般向け・初心者向けの本を2冊くらい買って読む

初めての業務は、行政書士といえでも一般の方とほとんど変わらず、いわゆる初心者です。まずは初心者向けの本を2冊くらい買って読み込みます。その結果、業務を依頼してくるお客さんと同等の知識が得られます。

また、初心者向けの本を読むと、一般の方がつまづく点などもわかりやすいと思います。(そのようなポイントはお客さんからも質問されやすいのです。)

※このHPでは、各分野でおすすめの初心者向けの本もご紹介していきたいと思います。

(2)根拠法・通達を調べる

プロの法律家を名乗るのであれば、根拠法もしっかり調べるのは当然です。施行令、施行規則、細則、条例のように順々に調べていきます。

また、分野によっては役所のHPなどから手引をダウンロードできる場合もありますし、法令の解釈・取り扱いについて解説された通達も入手できると思います。

(3)専門家向けの実務書を数冊買う

手引や通達などが得られない場合や(そういうケースの方が多いです)、様式が定まっていない書式を得るために、それらが掲載された専門書を買います。

1冊の本の中のたかだか数行の記述を確認したいがために、高い実務書を買います。

※このHPでは、私が買って役に立った専門書もご紹介していきます。

(4)役所の担当課に電話・出向いて教えてもらう

いろいろな本を読んでもどうしても確信が得られないことが出てきます。そんな時は役所の担当課に電話して直接質問しています。電話では話しにくい内容の場合は、アポを取って出向き、教えてもらいます。

「法律・通達を調べたり専門書を買ったりしないで、すぐに役所に電話すればいいじゃないか」という考えもあるかもしれませんが、プロ(行政書士)とプロ(行政担当者)との会話です。最低限のインプットをした上で電話するのが、私はマナーだと思っています。

「通達の第◯号の解釈ですが、◯◯のように考えて書類を準備してよろしいでしょうか?」のような切り出し方ができた方がかっこいいですよね!

2.実務書の買い方

私の場合、一分野についてだいたい10冊くらいは買っています。
内訳はこんな感じです。

(1)一般向けの入門書

はっきり言って、行政書士と言えどもやったことのない分野については素人です。ですので、まずは素人向けの本を読みます。1冊1,500円くらいでしょうか。

素人向けの入門書は分かりやすいですし、入門書を読むと一般の方が抱く疑問点が分かります。つまり、お客さんから質問される可能性のある項目がわかるということです。

しかし、突っ込んだ点や法律上の根拠などはあまり分かりません。法改正情報をきちんと反映しているのかどうか、実務上の取り扱いは変わっていないのだろうか、など、確信が持てない点も多いです。それらは専門職向けの実務書で補う必要があります。

(2)専門職向けの実務書

開業当初、私は本代をケチろうと思っていました。(というか、買うお金も十分になかったのですが。)でも、法的根拠や通達などの情報が書かれていない入門書の情報に基づいてお客さんに話をすることに、とても抵抗がありました。というか、その点をすごく不安に思いました。

結局、日本法令や民事法研究会、ぎょうせい、清文社、日本加除出版など、専門職向けの出版社から出ている実務書を買うようになりました。

時間があればアマゾンで買いますし、今すぐ確認したい場合は本屋さんに走りますが、意外とマニアックな書籍が多いので、田舎の本屋さんでは手には入らないことも多々あります。

図書館などで借りてもいいんでしょうが、何と言うか、手元に置いておかないと不安なのです。

そんな感じで、あっという間に本棚がいっぱいになりますし、案外出費が大きいものとなります。

3.まとめ

私は小心者ですので、役所に行って相談するということに大きなストレスを感じてきました。「自分は行政書士なのに、こんな質問をしたら役所の担当者に馬鹿にされるのではないだろうか。」そんなことを思ってしまうのです。

でも、最初は誰でも初心者です。

片や、役所の担当者はプロです。日々その業務を中心にやっているのですから。

臆することなく、自分で勉強してもわからない点はどんどん役所に質問すれば良いのです。通達として公表もされていないその役所独自の取り扱い(いわゆる「ローカルルール」)もたくさんあり、こればっかりは聞かないと明らかになりません。

ただ、繰り返しになりますが、可能な限りのインプットをした上で質問する、ということが大切です。しっかり通達レベルまでインプットをした上で質問すれば、馬鹿にされることなどありません。むしろ、「よくお調べになっていますね!」と感心されることすらあります。

私たちの仕事は相手あっての仕事です。相手となる役所担当者にとって「仕事のしやすい相手」となるべく、努力していきたいものです。

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