決算変更届(建設業法第11条)

決算変更届の概要

建設業の決算変更届とは、事業年度が終わってから4ヶ月以内に、工事の実績、決算の内容などを許可行政庁に届け出るものです。

以下に僕のやり方をご説明しますが、細かい点は都道府県によって微妙に違うと思います。(同じ都道府県内でも、窓口によって対応が異なりますので・・・)

【建設業法11条2項】
許可に係る建設業者は、毎事業年度終了の時における第六条第一項第一号及び第二号に掲げる書類その他国土交通省令で定める書類を、毎事業年度経過後四月以内に、国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。

【建設業法11条3項】
許可に係る建設業者は、第六条第一項第三号に掲げる書面その他国土交通省令で定める書類の記載事項に変更を生じたときは、毎事業年度経過後四月以内に、その旨を書面で国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。

一般的な建設業者の提出書類と注意点

  1. 提出時の体裁
  2. 変更届出書
  3. 工事経歴書
  4. 工事施工金額
  5. 貸借対照表・損益計算書
  6. 株主資本等変動計算書
  7. 注記表
  8. 事業報告書
  9. 納税証明
  10. 参考文献
  11. 1.提出時の体裁

    提出部数

    3部(正本・副本・写し)提出します。(添付書類も同様)
    ※正本は行政庁に、副本は閲覧用に、写しは受付印を押して届出者に返却されます。

    書類の綴じ方

    上部中央にパンチで穴を開け、黒い綴紐で綴じて提出します。

    2.変更届出書

    押印

    個人は実印で、会社は代表印で押印します。
    ちなみに、僕は書類作成と提出手続代行という立場で手続きます。

    押印箇所は名前の右横と、書類右上(捨印)です。
    また、書類右下に行政書士のゴム印と職印を押しています。
    ※ゴム印の内容
     平成年月日作成 住所
     提出手続代行者 行政書士 某 職印
     電話 00-0000-0000

    3.工事経歴書

    経審を受けない場合

    年間工事請負額の50%以上の記載、または500万円以下の軽微な工事のみの場合は、請負金額が小さい方から10件まで記載すればOKです。

    各工事毎に千円未満を切り捨てて記載し、切り捨てた額を積み上げて小計・合計を出しても良いし、各工事は千円未満を切り捨てて記載し、小計・合計は各工事の千円未満も含めて計算した上で、千円未満を切り捨てて記載してもOKです。(僕は後者)

    経審を受ける業者については、僕はまだ担当したことがありません。

    4.工事施工金額

    工事経歴書と同じですが、千円未満を切り捨てて記載し、切り捨てた額を積み上げて小計・合計を出しても良いし、千円未満を切り捨てて記載し、小計・合計は各工事の千円未満も含めて計算した上で、千円未満を切り捨てて記載してもOKです。(僕はやはり後者)

    また、該当がない場合もゼロを入れる必要があります。

    5.貸借対照表・損益計算書

    決算書ですね。
    税理士さんが税務申告用に作った決算報告書を会社からお借りし、建設業用に科目の整理をして仕上げることになります。

    僕は初歩の初歩、簿記3級+2級をひと通り勉強しましたが、そのくらいの知識があると結構役に立ちます。

    特に、建設業の会計で原価に入れるもの(外注費や現場用の経費など)について、税務上の処理では販売費・一般管理費として計上されている場合がありますので、それらを拾い出して原価に組み替える、という作業が必要になります。

    僕は建設業のお客さんは数件しかいませんが、税務の段階で原価をしっかり計算しているというケースには出会ったことがありません。販管費の中である程度科目別に集計されていればよいのですが、『あれもこれもみんな雑費』みたいなケースもありました(汗)。

    6.株主資本等変動計算書

    これは割と簡単です。
    やはり税理士さんの決算報告書の中で株主資本等変動計算書がありますので、これを参考に、というか、提出用の書式に数字を移していくだけです!

    なお「当期純損失」となっている場合は「△」をつけます。
    ※都道府県によってやり方が違うかもしれませんで、ご留意ください。

    7.注記表

    注記表も簡単です。
    税理士さんの決算報告書の中の注記表の中から、提出書類の書式に書き写す感じです。
    なお、譲渡制限株式会社の場合は、次の項目のみ記載すればOKです。

    • 重要な会計方針
    • 株主資本等変動計算書関係
    • その他

    上記のうちで決算報告書に記載がない項目については「該当なし」と書きます。

    8.事業報告書

    事業報告書は株式会社のみ提出します。
    作成の根拠は建設業法ではなく会社法435条2項です。

    (計算書類等の作成及び保存)
    第435条 2 株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書その他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。

    建設業法上決まった様式はありませんが、僕は次のように作成しています。
    なお、僕が提出している窓口では押印不要という取り扱いです。

    –ここから–
                   事業報告書

                 自 平成 年 月 日
                 至 平成 年 月 日

                               会社名 株式会社◯◯

    当会社の第◯期の経営状況その他につきましては、建設業法第11条の規定により◯◯県知事宛提出した工事経歴書、工事施工金額、財務諸表その他変更届のとおりであります。

    今後より一層◯◯に努め、業績の向上に邁進いたす所存でございます。

    –ここまで–

    9.納税証明書

    次の種類の納税証明を取得します。

    • 知事許可の場合:事業税の納税証明書
    • 大臣許可の法人:法人税の納税証明書(僕は未経験)
    • 大臣許可の個人:所得税の納税証明書(僕は未経験)

    知事許可のお客さんしか担当したことがないので、以下は事業税についてお話します。

    取得通数

    1通でOKです。
    決算変更届自体は3通提出しますので、正本に原本を添付し、副本・写しにはコピーを添付します。

    取得方法

    都道府県税事務所にて取得します。
    予め申請者の印鑑を押印した納税証明申請書を持参すれば、行政書士がお使いで取得しに行っても問題ないという取り扱いです。
    僕の所では、委任状も不要で、納税証明の申請書1通と発行手数料分の収入証紙のみを持っていきます。

    ※税証明発行窓口で、行政書士証票(連合会のもの)の提示を求められます。
    ※収入証紙は都道府県が発行しているものです。国の収入印紙とは異なります。

    なお、証明は直近の事業年度の物について発行してもらいます。

    10.参考文献

    絶対に必要な本


    この本は役所担当者も使っています。

    財務諸表を作るときに参考になる本


    税理士さん作成の財務諸表を建設業用に書き換える方法について、詳しく書かれています。

    あと、余談ですが、都道府県の閲覧窓口に行けば、他の書士さんがどのように書類を作っているか見ることができますよ。閲覧室にはいつも人がたくさんいて、色々と情報を書き写しています。

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