株式会社の事業目的変更登記(定款変更)

株式会社の事業目的変更手続きについてまとめています。

目次

  1. 目的変更の内容についてヒアリング
  2. 許認可が必要な業種かどうかの確認
  3. 事業目的文言の検討
  4. 臨時株主総会開催
  5. 株主総会議事録作成
  6. 司法書士さんとのやり取り
  7. 株式会社変更登記申請
  8. 履歴事項全部証明書の取得

1. 目的変更の内容についてヒアリング

お客さんから目的変更の相談を受けたら、まずはヒアリングを行っていきます。

  • 本当に変更する必要があるかどうか?
    追加を希望している場合は、既存の目的の中に含まれる事業ではないか?
  • どのような理由で変更するのか?
    後述する許認可の関係や、融資の関係で銀行に求められた、などの場合があると思います。
  • ついでに追加・削除する目的がないかどうか?
    変更登記には1申請で3万円の手数料がかかりますので、ついでに追加・削除があれば一緒にやってしまった方がいいと思います。

2. 許認可が必要な業種かどうかの確認

許認可が必要な業種であれば、事業目的の文言について行政庁が指導している場合もあります。指導の有無について確認しておきます。

基本的に、許認可の根拠となっている法律で定義されている文言を使えばOKの場合が多いと思います。

例)介護保険法に基づく居宅介護支援事業、塗装工事業、古物の売買など

3. 事業目的文言の検討

文言について検討します。当然のことながら、下記について法務局で審査されますので、特に「明確性」については気をつけます。

  • 適法性
  • 明確性
  • 営利性

ご参考)僕は次の2冊に掲載されている事例を参考にして、事業目的の表現を決めています。かなり便利です。

4. 臨時株主総会開催

事業目的を変更するには、目的が記載された定款を変更する必要があります。そこで、臨時株主総会を開催します。

下記のとおり、定款変更には特別決議が必要となります。

会社法309条
第2項
前項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(3分の1以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。
〜中略〜
11  第6章から第8章までの規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会

同法466条
株式会社は、その成立後、株主総会の決議によって、定款を変更することができる。

ということで、総会にかけて特別決議により可決してもらいます。

5. 株主総会議事録作成

総会終了後、ただちに株主総会議事録を作ります。ここは僕たち行政書士の仕事ですね。

また、一般的に総会で可決されて同日に定款が変更されますので、総会開催日と同じ日付で改定された定款を作っておきます。

会社成立後初めての定款変更の場合、原始定款に入っていた「附則」についても削除の決議をとり、削除しておきます。附則には設立時の決め事が盛り込まれていると思いますので、設立後の定款変更の段階では、すでにその役割を終えています。

定款変更に関する株主総会議事録記載例

            臨時株主総会議事録

平成◯年◯月◯日午前9時30分から、当会社の本店において臨時株主総会を開催した。

 株主の総数                      1名
 発行済株式の総数                 100株
 議決権を行使することができる株主の数         1名
 議決権を行使することができる株主の議決権の数   100個
 出席株主数(委任状による者を含む)          1名
 出席株主の議決権の数               100個
 出席取締役 田舎太朗(議長兼議事録作成者)

以上のとおり株主の出席があったので、定款の規定により代表取締役田舎太朗は議長席につき、株主総会は適法に成立したので開会する旨を宣し、直ちに下記議案を付議したところ、満場一致の決議をもって原案どおり可決確定した。

 議案 定款変更の件

1 定款第2条を次のとおり変更すること。
(目 的)
 第 2 条 当会社は、次の事業を営むことを目的とする。
    1.飲食店の経営
    2.酒類の販売
    3.通信販売業務
    4.前各号に附帯又は関連する一切の事業
2 定款第6章附則を削除すること。

議長は以上をもって本日の議事を終了した旨を述べ午前10時10分閉会した。
以上の決議を明確にするため、この議事録をつくり、議長及び出席取締役がこれに記名押印する。

 平成◯年◯月◯日
              株式会社田舎商店 臨時株主総会
    
               議長 代表取締役 田舎 太朗 代表印 

6. 司法書士さんとのやり取り

議事録ができたら、次は法務局への変更登記申請です。この手続はもちろん司法書士の先生の業務ですので、司法書士さんにバトンタッチすることとなります。

下記を司法書士さんにお渡しします。

  • 直近の登記情報(謄本のコピーや、民事法務協会の登記情報提供サービスを印刷したもの)
  • 議事録1通
    僕は議事録を2通作り、1通は会社で保管、もう1通は法務局で使い切りにしています。原本還付と1通余分に押印してもらう手間を天秤にかければ、後者の方が楽なので、司法書士の先生の手を煩わせないように原本還付はお願いしていません。

その後、司法書士さんによって本人確認(初対面の場合)が行われた後、委任状に代表取締役の印鑑をもらい、申請となります。

7. 株式会社変更登記申請

準備が整い次第、司法書士さんから登記申請を行っていただきます。

8. 履歴事項全部証明書の取得

申請後、法務局HPで完了予定日を調べ、目的変更が反映された履歴事項全部証明書を取得し、お客さんにお渡しします。

税務機関への「異動事項に関する届出」手続きも必要となりますので、お客さんから税理士さんにも報告していただくようにお願いしておきます。

以上で目的変更手続きは完了です。

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